「任意整理のメリットとデメリットについて知りたい!」
「任意整理する前に知っておくべきことはある?」
このような疑問や不安を抱えている人は少なくありません。
結論から言いますと、任意整理は法的に債務を圧縮する手段としてよく用いられます。
簡易的でかつ確実に手続きが行われるため、多重債務解消に即効性があります。
しかし、任意整理する際にはメリットだけではなくデメリットもしっかり理解しておかなければなりません。
そこで今回は、任意整理のメリットとデメリットについて徹底解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
任意整理のメリット
任意整理を行うことで、多重債務を解決出来る以下のメリットがあります。
- 利息の減免
- 手続きが簡素
- 整理債務を選択できる
それぞれについて詳しく解説していきましょう。
利息の減免
原則、任意整理手続き後は、将来利息が減免されることから、元金のみの支払いとなります。
多重債務の原因の一つは高すぎる利息支払いです。
その将来利息が全額カットされれば返済負担が大幅に軽減されるのみならず、完済するまでの時間も大幅に短くなります。
手続きが簡素
任意整理は裁判所を通さずに行う手続きのため、自己破産や個人再生と比較しても手続きを簡単に行うことが出来ます。
また収入や資産を証明する資料の提出が必要なく、簡易的に債務整理を行うことが可能です。
整理債務を選択できる
整理したくない債務に関しては除外することができます。
例えば、車両ローンを整理した場合、ローンで購入した車両は没収されてしまうデメリットがあります。
任意整理であれば、車両ローンを整理の対象から外すという取り扱いも可能です。住宅資金に関しても同様の取り扱いとなります。
任意整理のデメリット
任意整理はメリットだけではなくデメリットもあります。
- 信用情報機関に登録される
- 他の債務整理と比較して効果が薄い
- 和解出来ない場合がある
それぞれについて詳しく解説していきます。任意整理を行う場合は事前に確認しておくようにしましょう。
信用情報機関に登録される
任意整理を行えば、債務整理した情報が個人信用情報機関に登録されます。
所謂ブラックリスト状態となり、整理債務の完済後5年間はクレジットカードやローンを組むことが出来ません。
他の債務整理と比較して効果が薄い
任意整理は将来利息をカットできる効果がありますが、自己破産(全ての債務の支払が免除)や個人再生(全ての債務の将来利息をカットし、一部の債務を減免)と比較すると債務軽減効果は大きくありません。
和解できない場合もある
任意整理は債権者と直接交渉して将来利息カットを行いますが、和解に応じない債権者もおり、任意整理が出来ない場合もあります。
任意整理の流れ
任意整理は基本的に弁護士や司法書士に依頼して行うことになります。
ここからは、実際に任意整理を専門家に依頼する場合の流れについて解説していきます。
- 任意整理手続きの相談
任意整理のスケジュール、先ほど紹介したメリットやデメリットの説明が行われます。また、任意整理を引受した場合の費用についても説明を受けます。
- 受任通知、債権調査
任意整理を引きうけた場合、弁護士や司法書士が受任通知を債権者に送ります。この段階で債権者は債務者に直接連絡することが無くなり、取立等がストップします。
- 取引履歴開示、利息制限法による引き直し計算
債権者から徴求した取引履歴をもとに、利息制限法の上限金利により支払い額を再計算します。
- 和解交渉
利息制限法の上限金利により引き直しを行った債務を、将来利息をカットした上分割払いする旨の和解交渉を行います。
- 和解契約締結
和解交渉が成立すると、実際に和解契約の締結となります。これで任意整理自体の手続きは終了となります。
- 支払開始
和解契約に沿って返済の開始を行います。
任意整理を行う前に確認したいこと
任意整理は生活再建の手段として有効ですが、しっかり家計収支を把握した上で整理後の返済が可能かは検討する必要があります。
任意整理前には、弁護士や司法書士による家計収支のヒアリングが行われますが、その際に借金等について隠し事はしないようにしましょう。
任意整理は整理債務の指定が出来るため、債務者が申告しなければ専門家は債務について全てを把握できません。
任意整理で整理したくない借金があるのは問題ありませんが、家計収支を把握する際に申告していなかった借金や税金滞納分等がある場合、整理後の収支が合わなくなる可能性が非常に高いです。
このような場合、債務整理したのにも関わらず、整理後の返済が出来なくなります。
実際和解したのにも関わらず、その返済すら出来ずに和解が破綻するケースも少なくありません。
和解が中断した場合の最悪のケースでは、司法書士や弁護士から契約の終了を言い渡され債権者からは一括返済を求められることもあります。
専門家とのヒアリングの際は
- 隠している借入は無いか?
- 税金は延滞していないか?
- 個人信用情報に乗らない債務(奨学金や他人からの借入金)はないか?
など全て隠さず申告をすることが重要になります。