「出資法」と「利息制限法」の違いと個人間融資だと何が適応されるの?

「出資法」と「利息制限法」の違いと個人間融資だと何が適応されるの? 個人間融資基礎知識

「個人でお金を借りたけど設定された金利が高い」
「貸金業者じゃないから自由に金利を設定できると言われたけど本当?」

個人間での借入でこのような疑問を持っている人は多いです。

結論から言いますと、個人間融資であっても出資法および利息制限法は適用されます。

これらの法律に違反すると罰則や行政処分の対象となるため、もし個人から借入している人は自分がいくらの金利を設定されているか把握しておくようにしましょう。

今回は、出資法と利息制限法について解説します。

出資法と利息制限法の違いについて

お金を貸し借りする際の上限金利は、出資法と利息制限法という2つの法律により制限されています。

出資法と利息制限法の大きな違いは、上限金利を超えた貸付をした際に刑事罰の罰則規定があるかどうかです。

上限金利を超えた貸付が違反であることには変わりありませんが、刑事罰が適用されるか否かに違いがあります。

それぞれ詳しく解説していきます。

出資法とは?

出資法とは
「出資の受け入れ、預り金及び金利等の取り締まりに関する法律」の略称で、文字通り金銭のやり取りに際して適用される法律のことです。

出資法では、銀行や消費者金融からの貸し付けおよび個人からの貸し付けに対する上限金利を定めており、金融業者からは実質年率20.0%を超える場合、個人間での貸し借りに関しては年率109.5%を超える場合、出資法違反であることを定めています。

【出資法の上限金利】

金融業者 個人
上限金利 実質年率20.0% 109.5%

出資法の上限金利を超えた貸し付けをするなど、出資法に違反した場合以下の罰則が貸主に課されます。
〇5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金

なお、金融業者に対する実質年率20.0%の上限金利は2010年6月に制定されたもので、それ以前は実質年率29.2%が出資法の上限金利でした。

29.2%未満で、後述する利息制限法を超える部分に関しては支払い義務が生じないため借入金の元本に充当されることになります。

この20.0%~29.2%の間の金利をグレーゾーン金利と呼び、支払った利息が元本に充当される=過払金となるため、過払金請求の対象となる可能性があります。

利息制限法とは?

利息制限法とは、貸主からの暴利に対して消費者を保護するために制定された法律であり、貸付金額に応じて上限金利が設けられています。

【利息制限法の上限金利】

元本額 10万円未満 10万円以上
100万円未満
100万円以上
上限金利 実質年率20.0% 実質年率18.0% 実質年率15.0%

以上のように借入の元本額に応じて実質年率の上限が変化していきます。

利息制限法を超える金利設定をした場合、出資法のように刑事罰の対象とはなりません。

しかし、上限金利を超える金利分に関しては無効であり、かつ違法な貸し付けを行った金融業者に対しては行政処分の対象となります。

個人間融資では出資法も利息制限法も適用される

個人間での融資であっても出資法及び利息制限法は適用されます。

つまり、個人間融資で実質年率20.0%を超える金利を設けた場合、超過した利息分に関しては支払義務がなくます。

また、実質年率109.5%を超える場合は出資法違反で刑事罰の対象となります。

もし個人間融資で1週間1割などの法外な金利を設定されている場合は、お近くの法テラスなどに相談することをおすすめします。

なお、払いすぎた利息は過払金請求の対象となり返還を求めることも可能です。

個人間融資で犯罪に巻き込まれることも

個人間融資を行うことで犯罪に巻き込まれる可能性が高くなります。

なぜなら、個人間融資自体が正規の貸金業者ではないものからの借入であり、違法な金利や執拗な取り立てを受ける可能性を否定できないからです。

そもそも正規の貸金業者ではない個人間での金銭のやり取りは、貸金業法に抵触する可能性が高く、取引すること自体で犯罪に巻き込まれる可能性が高いです。

正規の貸金業者ではない場合は闇金と同じであるという認識を持つべきでしょう。

仮に違法な金利を要求してきたとして「家族にバラす」「会社まで取り立てする」と言われた場合、要求を拒否できない可能性も十分にあります。

犯罪に巻き込まれる可能性が高い個人間融資には、そもそも手を出さないことが重要です。

お金が必要であれば正規の貸金業者を利用する、返済がきつい場合は債務整理を検討する等して、個人間融資には手を出さないことが重要です。

まとめ

  • 出資法の上限金利は、貸金業者で20.0%、個人間で109.5%。超える場合は刑事罰の対象
  • 利息制限法の上限金利は、最大で20.0%。元本額に応じて上限金利が変化する
  • 個人間融資は闇金と同じ。違法な金利を要求される可能性が高い

個人間融資でも出資法及び利息制限法は適用されます。

個人間融資では違法な金利設定をしてくる場合がありますが、利息制限法の上限金利を超える貸し付けに関しては支払い義務がありません。

しかし個人情報の流出を恐れて金利を支払い続けるという最悪のケースもあり得ます。

個人間融資は犯罪に巻き込まれる可能性も高いため、正規の貸金業者から借入を行うようにしましょう。

もし個人間融資でお困りの人は、お近くの法テラス、弁護士や司法書士に相談するようにしましょう。

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